船釣りを始めたいと思っても、「どんな釣り方があるの?」「初心者にはどれが向いているの?」と迷う方も多いでしょう。
船釣りには、サビキ釣り、タイラバ、ジギング、胴付き釣りなど、さまざまな釣り方があります。
私は遊漁船「飛翔」の船長として37年間、お客さんと一緒に海へ出てきました。
遊漁船を始めた頃は大アジ釣りが中心でしたが、その後、タイラバやブリのジギングなど、釣り方も変わっていきました。
この記事では、私が実際に経験してきた4種類の船釣りについて、狙う魚や釣り方の違い、初心者が知っておきたいポイントを紹介します。
船釣りの主な釣り方4種類を比較
船釣りには多くの種類がありますが、ここでは私が遊漁船「飛翔」で経験してきた4種類を紹介します。
| 釣り方 | 主に狙う魚 | 釣り方の特徴 |
|---|---|---|
| サビキ釣り | アジ | 撒き餌で魚を集め、複数の針で狙う |
| タイラバ | マダイ | 仕掛けを一定速度で巻いて誘う |
| ジギング | ブリ | 金属製のジグをシャクって魚を誘う |
| 胴付き釣り | メバル・ウマズラハギ・カワハギ | オモリを下に付け、底付近などを狙う |
釣り方によって、使う仕掛けも竿の動かし方も異なります。
初心者の方は、まず釣りたい魚を決めてから、釣り方を選ぶと分かりやすいでしょう。
サビキ釣り|60cm級の大アジが釣れていた頃
魚探で群れを見つけ、アンカーを入れて釣る
私が遊漁船「飛翔」を始めた頃は、大アジの群れが多く、アジ釣りが中心でした。
まず魚群探知機でアジの群れを見つけ、アンカーを入れて船を固定します。
そして、大きなカゴでジアミをまき、アジを集めて釣っていました。
当時釣れていたアジは40~60cmで、ほとんどが60cm級でした。
本当によく釣れ、お客さん一人で50Lのクーラーボックスが満杯になるほどの釣果もありました。
飛翔で使っていた大アジのサビキ仕掛け
当時使っていた仕掛けは、上から順に次の構成でした。
- クッションゴム
- サビキ仕掛け(6本針)
- 幹糸7号・枝糸5号
- 下に大型カゴ(80~120号)
針には餌を付けません。
ジアミをまいてアジを集め、その中でサビキ仕掛けを使って釣る方法でした。
これは当時の飛翔で使っていた仕掛けです。現在の船宿では指定される仕掛けやオモリの号数が異なるため、乗船前に確認してください。
大アジを追いかけた豊後水道から平郡沖まで
当時、大アジの釣り場は季節によって変わっていました。
4月頃は豊後水道から始まり、季節が進むにつれて北東へと釣り場が移り、9月頃には平郡沖の大ミナセ・小ミナセまで追いかけていました。
船長として、魚がどこにいるのかを探しながら釣り場を選ぶ日々でした。
ただし、これは私が遊漁船を運航していた当時の経験です。現在も同じ時期に同じ場所で釣れるという意味ではありません。
タイラバ|セブンスライドとの出会いが転機に
最初はマダイがたまに釣れる程度だった
大アジが徐々に釣れなくなり、飛翔の釣り方も変わっていきました。
山口県ではまだタイラバが一般的でなかった頃、私は友人からタイラバの話を聞き、興味を持っていました。
そのうち、タイラバをしたいというお客さんが時々乗船するようになりました。
しかし、始めた頃はマダイがたまに釣れる程度で、なかなか思うような釣果が出ませんでした。
九州のお客さんが使っていたセブンスライド
そんなとき、九州から来られたお客さんたちが、県内のお客さんと比べて非常に良い釣果を上げました。
使っていた仕掛けが違ったのです。
その仕掛けが「セブンスライド」でした。
私はその違いに注目し、ほかのお客さんにも次回からセブンスライドを用意してくるようお願いしました。
すると、それまで一人で数枚だったマダイが、5~6枚釣れるようになったのです。
仕掛けだけでなく、巻き方も参考になりました。
こうした経験を経て、飛翔はタイラバ専用船になっていきました。
「イチ、ニー、サン」で一定速度に巻く
九州から来たお客さんたちは、タイラバを一定の速度でゆっくり巻いていました。
私はその方法を初心者のお客さんにも教えるようになりました。
具体的には、ハンドルを1回転させるごとに「イチ、ニー、サン」と声に出して数える方法です。
「イチ」で1回転、「ニー」で1回転、「サン」で1回転。
同じリズムを保ちながら、ゆっくり巻き続けます。
そして、マダイが食いついても慌ててアワセを入れず、そのまま巻き続けるように教えていました。
竿が大きく曲がってからのやり取りは、お客さん一人ひとりのやり方に任せていました。
初心者にとっては、まず一定速度で巻くことを覚えるのが大切です。
タイラバの基本的な釣り方や初心者向けのコツは、こちらの記事で詳しく解説しています。
ジギング|水深50~60mの漁礁周りでブリを狙う
飛翔のジギングはブリが中心
私が飛翔でジギングの主な対象にしていた魚は、ブリです。
釣り場は水深50~60mの漁礁周りでした。
ジギングでは、金属製のルアーであるメタルジグを使い、竿とリールを動かして魚を誘います。
タイラバのように一定速度で巻き続ける釣りとは、動かし方が違います。
ワンピッチ・ワンジャークで誘う
私が教えていたのは、ワンピッチ・ワンジャークという方法です。
リールのハンドルを1回転させるごとに、竿を1回シャクります。
これをリズムよく繰り返し、ジグを動かしてブリを誘います。
ブリジギングの詳しい釣り方や初心者向けのコツは、こちらの記事で解説しています。

※ワンピッチジャークは、一定のリズムで続けることが最も重要です。
- ジグを海底まで落とす
- 着底したら、根掛かりを防ぐためにすぐ巻き始める
- 竿をしゃくる動きと、リールを1回転巻く動きを同じリズムで合わせる
- 強くしゃくらなくてOK。一定のリズムで繰り返す
- 「トン・トン・トン」と同じ速さを意識する
- ジグが跳ねすぎないように、動きを大きくしすぎない
初心者メモ
まずは「周りの人と同じ速さ・同じ重さ」を真似するのが近道です。分からなければ船長に聞くのが一番早いです。
ブリジギング、掛かった後のやり取り
ブリが掛かると、一気に海に引き込まれそうになるほど強烈な引きが来ます。焦らず、ドラグを効かせて主導権を渡しすぎないことが大切です。
- 無理に巻かず、ドラグを効かせる
- 魚が止まったら一定のスピードで早めに巻き、漁礁の根に入られないようにする
- 海面まで来たら、船長や同船者にタモ入れをお願いする
着底したらすぐにシャクリ始める
飛翔では、ジグをいったん海底まで落としてからシャクリ始めていました。
ただし、漁礁周りでは根掛かりの心配があります。
そのため、お客さんには着底したらすぐにシャクリ始めるよう教えていました。
もちろん、根掛かりすることも時々ありました。
それでも、私自身は「根掛かりしたら、その時はその時」という考え方で、ブリを狙っていました。
初心者の方は、船長の指示を聞きながら、底を取った後は糸を緩めたままにしないよう注意してください。
胴付き釣り|メバル・ウマズラハギ・カワハギを狙う
胴付き仕掛けとは
胴付き仕掛けは、仕掛けの下にオモリを付け、幹糸から枝針を出す形の仕掛けです。
船釣りでは、海底付近にいる魚などを狙う際に使われます。
飛翔では、主にメバル、ウマズラハギ、カワハギなどを狙っていました。
メバル釣りでは餌を持参するお客さんも
メバルの胴付き釣りでは、お客さんが自分の好みに合わせて餌を持参していました。
使っていた餌には、海エビ、シラウオ、モエビなどがありました。
同じメバル釣りでも、お客さんによって餌の好みが違うのです。
なお、餌を使う胴付き釣りと、餌を付けないサビキ釣りは、仕掛けや釣り方を分けて考える必要があります。
初心者の方は、釣りたい魚に合った仕掛けと餌を、乗船前に船宿へ確認すると安心です。
船釣り初心者はどの釣り方を選べばよい?
船釣りの種類を知ったら、次は自分に合った釣り方を選びましょう。
アジを狙うならサビキ釣り、マダイを狙うならタイラバ、ブリを狙うならジギング、メバルやカワハギなどを狙うなら胴付き釣りが候補になります。
ただし、同じ魚でも海域や季節、船宿によって釣り方は異なります。
初めて乗船する場合は、釣り方の名前だけで決めず、船宿に次のことを確認しましょう。
- その日に狙う魚
- 使用する仕掛けとオモリ
- 竿やリールのレンタルの有無
- 餌を自分で用意する必要があるか
- 初心者でも参加できるか
特にジギングは竿を繰り返し動かすため、釣り方によって体力的な負担も違います。
自分の経験や体力、釣ってみたい魚に合わせて選ぶことが大切です。
まとめ|船釣りは釣り方の違いを知るともっと楽しい
船釣りには、サビキ釣り、タイラバ、ジギング、胴付き釣りなど、さまざまな種類があります。
私自身、遊漁船「飛翔」を始めた頃は大アジ釣りが中心でした。
しかし、大アジが徐々に釣れなくなる中で新しい釣り方を取り入れ、セブンスライドとの出会いをきっかけに、タイラバ専用船へと変わっていきました。
海の状況や狙う魚が変われば、釣り方も変わります。
初心者の方は、まず自分が釣りたい魚を決め、その魚に合った釣り方を選んでみてください。
そして、分からないことがあれば遠慮せず船長に聞くことです。
船釣りの楽しさを、ぜひ実際の海で味わってください。


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